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今井 久*; 西田 薫*; 蓑 由紀夫*; 雨宮 清*; 林 為人*
PNC TJ1449 98-004, 231 Pages, 1998/02
岩盤内に空洞を掘削した場合、その周辺岩盤には不飽和領域が発生すると考えられる。この不飽和領域では、酸素を含んだ空気の浸入により岩盤の酸化還元状態が変北し、これに伴い岩盤中の物質移行特牲が変化することが考えられる。しかし、現段階ではこの不飽和領域の範囲を定量的に把握する手法は確立されていない。本研究は、今後数年のうちに岩盤中の不飽和領域をある程度定量的に把握できる計測手法を開発することを最終目標としている。今年度は(1)不飽和領域のメカニズムに関する基礎研究、(2)不飽和領域の計測手法に関する基礎研究に関して、岩石試料を用いた室内実験及び原位置において孔間レーダを用いた予備検討的な計測を行った他、TDRプローブの設置と計測を行って、基礎的な知見を得た。
山井 忠世*; 若松 尚則*; 中島 誠*; 小汐 真由美*; 高遠 俊一*
PNC TJ7361 97-003, 188 Pages, 1997/02
不凍液のテンシオメーターへの使用により観測結果への影響を把握するため、脱気水と不凍液をそれぞれ使用したテンシオメーターによる土壌水分の比較観測をDU3B地点において行った。その結果、不凍液の使用によるテンシオメーターの観測結果への影響として、以下のことが把握された。(1)テンシオメーター内の溶液に不凍液を使用した場合、少なくともpFO2.06(飽和圧力水頭=115cmH2O)の範囲の土壌水分を測定することが可能であった。(2)不凍液を使用したテンシオメーターの圧力水頭測定値(PG)と脱気水を使用したテンシオメーターの圧力水頭測定値(w)の関係は1次回帰式で表すことが可能であり、PGに乗じる係数は1.031.13であった。この係数は、深度が大きいほうが大きくなく傾向にあった。(3)テンシオメーター内の不凍液には、98日間で約1417%あるいは69日間で約8%の濃度低下が見られた。テンシオメーター上部における不凍液の濃度が下部に比べて最大で約20%低くなる傾向が確認された。(4)土壌水分フラックスを算定した結果、不凍液の使用により圧力水頭測定値に最大で約10%の影響が現れた場合においても、土壌水分フラックスの算定値に及ぼす影響がほとんどなかった。